案件を途中で抜けるとき、信用を守る手順
健康、家庭、条件の不一致。途中で抜けざるを得ない事情は起こりうる。抜け方次第で、業界内の評価は大きく変わる。
途中離脱は、発注側にとって最も損失の大きい事象である。だからこそ、離脱そのものより、離脱の仕方が記憶に残る。丁寧に抜けた人は次に声がかかり、雑に抜けた人は業界内で情報が回る。
判断したら、早く伝える
迷っている間に時間が過ぎるのが最も悪い。発注側が必要とするのは、後任を探し、引き継ぐ時間である。伝える時期が早いほど、選択肢が残る。契約上の予告期間は下限であって、目安ではない。
伝える相手は、まず契約の相手方。エージェント経由であればエージェントに先に伝える。現場に直接伝えてしまうと、契約上の窓口を飛ばすことになり、話がこじれる。
伝え方の型
- 01
事実を先に、簡潔に
いつまでで離脱したいのかを最初に言う。理由の説明から入ると、交渉の余地があると受け取られる。
- 02
理由は必要な範囲で
健康や家庭の事情は詳細まで話す必要はない。継続が難しいという事実が伝わればよい。
- 03
引き継ぎ案を持っていく
残務、進行中の論点、関係者との関係。何をどう渡せるかを自分から示す。ここが評価の分かれ目になる。
引き継ぎで残すもの
- 進行中のタスクと、それぞれの現在地
- 関係者の一覧と、論点ごとの温度感
- 判断待ちになっている事項と、判断者
- 作成物の所在と、途中のものは何が未了か
後任が決まっていなくても、この四つを文書にして渡しておく。渡した時点で、離脱は「投げ出し」ではなく「引き継ぎ」になる。
抜けたあとの扱い
離脱の経緯は、次の選考で聞かれる可能性がある。隠すより、事実と、そのときに取った対応を短く言えるほうがよい。引き継ぎを整えて抜けたのであれば、それ自体が仕事の進め方の証明になる。
評価を決めるのは離脱したかどうかではなく、離脱の場面で何を残したかである。
Takeaways
- 判断したら早く伝える。契約上の予告期間は下限であって目安ではない
- 契約の窓口を飛ばして現場に先に伝えない
- 後任未定でも、進行状況と関係者の温度感を文書で残す